Franz Louis August Rosenzweig「救濟の星」1921
https://gyazo.com/ba86461083b39166f67346d91898db34
無
何も知らないと云ふ假說
思考の出發點にして問題の所在を示す場所
思考の到達點ではない
根源語
然り→否→かつ (und)
x = y
主語 = 述語
否かつ然り
假言的なもの
〈もし~ならば (Wenn)〉
〈もしかすると (Vielleicht)〉
meta
神
meta 自然學 A → A= → A=A
無 : 神について何も知らない
然り : A
根源的然り (Ur-Ja)
神的自然 (ピュシス)
無限な本質
斷固としてあるがままの性質を保ちつづける本質
純粹な事實存在と無言の事實性の無限の沈默のうちに安らっている
事實存在
端的な存在、知識の彼岸にある存在
不死にして無制約的であること
個々のことばに意味一般を保證する
あるがまま (Sic)。そのやうに (So)。それはある (Es ist)。それはそのやうにある (So ist es)
アーメン
否 : A=
根源的否 (Ur-Nein)
神の自由
つねに新たにみずからを啓示する行爲の自由
〈なしうるといふこと (das Können)〉
別樣でない (nicht anders)
かつ : A=A
力 (自由) かつ運命 (本質)
神的自由が恣意的な力として形態化される
情熱 (パトス) の自由な奔流において發揮される無限な力
神的本質は必然と運命として形態化される
運命 (モイラ) の強制のもとでの無限な拘束
神話的な神
存在する生
美の外的形式
藝術作品
より高次の法則からのあの自立性
より低次の義務からのあの自由
「なんといっても美しいものは、それ自體において幸ひである」
世界
meta 論理學 =A → B → B=A
無 : 世界について何も知らない
然り : =A
知識のうちにあり、知られる存在、普遍的な存在
普遍的で必然的であること
普遍的妥當性
個々のことばの意味の同一性を保證する
否 : B
現象する〈なにか〉
產出
かつ : B=A
ゆたかさと內容と個體 = 秩序と形式と類
造形的な世界
精神化された形態
美の內的形式
それぞれの部分と全體との一貫した聯關
人閒
meta 倫理學 B → B= → B=B
無 : 自己について何も知らない
然り : B
はかなさ
特殊
各自存在 (Eigensein)。各自性 (Eigenes)
「私はそれでもなおここにある」
個々のことばがすべての適用以前にすでにもってゐるやうな特殊性が確立される
否 : B=
意志の自由
〈意志すること Mdas Wollen)〉
かつ : B=B
反抗 (Der Trotz) かつ性格 (Charakter)
反抗
〈それにもかかはらず (Dennoch)〉
自己意識
悲劇的な人閒
孤獨な〈自己〉
美の內容
現實の言語にさきだった、無言の等しいものの傳達
創造
啓示
救濟